ころは大正十三年、京都四條の京紅問屋「べに福」のせがれ彌太郎は学校出たての明るい新しい思想を持った青年で、皆から「ぼんぼん」と呼ばれている。父福右衛門は昔通りの問屋の店を名実ともに続けたいと思っているため彌太郎と意見が合わない。店の源吉は女中お春と出来、店を出される。源吉は古い思想の福右衛門を恨み、
ころは大正十三年、京都四條の京紅問屋「べに福」のせがれ彌太郎は学校出たての明るい新しい思想を持った青年で、皆から「ぼんぼん」と呼ばれている。父福右衛門は昔通りの問屋の店を名実ともに続けたいと思っているため彌太郎と意見が合わない。店の源吉は女中お春と出来、店を出される。源吉は古い思想の福右衛門を恨み、手代たちに働く者の正当な要求をしろとけしかける。気の弱い、そして福右衛門の妻おくらに拾われた庄吉は苦しい思いをして働かせられても仕方ないと思っている。庄吉は今脚気で苦しんでいる。これを何くれと面倒見るのは彌太郎と女中のお米である。その頃、伏見屋の娘敦子との縁談が父母の間にもち上るが彌太郎はそれを断り、返って女中お米を嫁にもらいたいと言って父母を驚かす。彌太郎の話を聞いたお米は驚いたが、彌太郎は一人で承知してしまう。お米は実は庄吉と言い交わしている仲で、この...
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